2013.12.09 : 十和田湖畔に建つ裸婦群像[1]
奥入瀬日記
この度の当会企画「乙女の像・建立60周年記念 ろまんヒストリー発信事業」の運営が進むにつれて、「そう言えば、マジマジ見てないなぁ〜。」とハッと思い行ってみました。
二人向かい合う像は知っています。
でも・・・・
良く聞く詩はどこに書いてあるの?
立派な石に高村光太郎の筆跡で刻まれていました。
恥ずかしながら、ほとんど忘れていたのが正直なところです。
観光バスのお客様も、像の前で写真を撮り詩碑に目を通す方はいませんでした。
立派な詩碑は脇の方にあり、しかも文面が像に背を向けています。
ただの、飾り石っぽい・・・多分、写真のように乙女の像を眺めながら読むようにしたのでしょうが、かなり印象の薄い場所にあり残念です。
この乙女の像「裸婦群像」によせた詩を紹介します。
『十和田湖の裸像に与ふ』
銅とスズとの合金が立ってゐる。
どんな造形が行われようと
無機質の図形にはちがひがない。
はらわたや粘液や脂や汗や生きものの
きたならしさはここにない。
すさまじい十和田湖の円錐空間にはまりこんで
天然四元の平手打をまともにうける
銅とスズとの合金で出来た
女の裸像が二人
影と形のやうに立ってゐる。
いさぎよい非常の金属が青くさびて
地上に割れてくづれるまで
この原始林の圧力に堪へて
立つなら幾千年でも黙って立ってろ。
高村光太郎
ブロンズ 高さ228.5センチ 昭和28年10月21日除幕式
天候は雨・・・
「清めの雨だな〜」と光太郎はつぶやいた。